灯火の系譜
あらすじ
雨の降る夕暮れ。 人通りのない郊外の道を歩いていたクレイドは、道端に倒れている一人の少女を発見する。 鮮やかな橙色の長い髪。雨と泥で汚れた服。腕には浅い傷があり、身につけているものには血の跡も残っていた。しかし、周囲には彼女を襲った者も、助けを求められそうな家もない。 クレイドは警戒しながら少女へ近づき、呼吸と脈を確認する。 ――まだ、生きている。 なぜ、こんな場所に一人で倒れていたのか。 どこから逃げてきたのか。 何があったのか。 答えは何ひとつ分からない。 クレイドは意識のない少女を抱き上げ、仲間たちと暮らす、元宿屋を改装した家へ連れ帰る。 このとき、二人はまだ知らなかった。 少女が自分の名前も、家族も、ここへ来るまでの出来事も、すべて忘れていることを。 そして、この偶然の出会いによって、帰る場所を失った少女の新しい物語が始まることを。
エピソード一覧
全1話最終更新
- もう戻れない。雨ープロローグー